2020年

6月

25日

開祖の言葉と思いと動作に合気道をみる

〝合気は禊である〟

〝禊とは天地に結ぶこと〟

 吸気とともに天から〝魂氣(心のたましい)〟を掌に受け、地から魄氣(体のたましい)を足底に受け、呼気で丹田にて結ぶことがすなわち合気である。

合気によって改めて活気を自覚し、〝天の浮橋に立つ〟姿となる。

 

受けに結んだ魂氣と軸足で体軸を確立すると対側の手には陰陽・巡り・結びの魂氣三要素が働き、非軸足とともに合気によって軸足が交代し、体軸は移ってなお確立する。今や受けに連なる魂氣は丹田に結んで体軸上にありながら、それを〝解脱して〟〝魂の比礼振りが起こり〟、〝身の軽さを得た〟手が〝虚空に円を描く〟。

 円を描いた手の動作は魂氣三要素の働きで丹田において再び魄氣と結ぶ。合氣によって受けの真中を魂氣が底に抜けて受けは螺旋で落ちる。合気の相対動作によって〝円の中心に武技が産まれる〟、これを〝武産合気〟という。

 

円の真中は宇宙の中心であって、その根本は愛である。

 すなわち、〝武は愛なり〟である。  

 

生あるものを大事にするこころで、〝生成化育〟の生き方をめざすことが合気の道である。つまり、生まれたものどうし、互いに育てあって成長し合い、進歩していくという生き方である。

2020年

6月

22日

下段に与えた手を引かずに入り身転換する方法

 非軸足を半歩入り身すれば同側の与えた手は相対的に広義の陰となって下丹田へと巡ることになる。手と足が重ならないように魂氣は母指先を内に巡って腋が内方に開いた隙間を足先から入り身する。

 

 そこで転換すれば受けの手は取りの手とともに下丹田に氣結びして、しかも入り身転換が為されるから取りの体軸は受けに密着して魄氣の結びも成り立つ。

 

 軸足交代によって対側の足は非軸足となり、これを後方へ一歩置き換えてすぐ軸足にすれば体の変更で陰の魄氣である。つまり受けに与えた手は下丹田にあってしかも身の軽さを得て(魂の比礼振りが起こって)、同側の非軸足を半歩出すなり、外転換へと置き換えるなり、半歩外入り身するなり、いずれにしてもそれと同期して自在に魂氣を発することが出来る。受けに氣結びしているからである。

 

 魂氣が円を描いて陰に巡る瞬間に魄氣は陽で入り身一足・残心で下丹田に結んで合気が成り立つ。つまり魂氣は例えば受けの側頸(中丹田)から体軸にひびいいて底丹田で底を抜いて取りの下丹田に結ぶのである。受けは取りの体軸に沿って螺旋で落ちている。

 

 入り身をせずにその場で足先を踏んで軸足としながら180度転換すれば、与えた手は掌を包んだまま小手返しの手で腸骨外側に接するのが精一杯で、腋が閉じても下丹田への結びがないからすでに体軸から離れている。したがって受けによって容易く体側から上肢を引き寄せられる。

 

 合気道は氣の武道であり、魂氣の珠を掌に包み広義の陰で体幹に密着し、さらに腰腹の真中に包み込む。下丹田への結びである。

                                     2020/6/22

 

2020年

6月

21日

氣の武道

 氣ということばとその思いとともに手(魂氣)、足腰(魄氣)の動きが三位一体として合氣道はある。

軸足によって体軸と目付けの確立で姿勢が定まる。非軸足の自在に動くことと軸足への交代によって体軸が移動し、そのとき魂氣が陰陽で巡って両手がそれぞれに動作する。そして、魂氣が丹田で魄氣と氣結びすると合気によって静止する。

 相対動作では魂氣の巡りが受けに結んで底を抜いて取りの残心で合気がなされるから武技が生まれる

2020年

6月

20日

一教は両手で氣の巡り

右手をば陽にあらはし 左手は陰にかへして相手みちびけ

 

 この歌の陽、陰は狭義であろう。坐技単独呼吸法の吸気相で両手の母指先から広義の陽にて上段に魂氣を発して、右手は天から魂氣を受け陽、左手は掌を地に向けて陰である。呼気相では右手は体側に巡って右脇が閉じ、左手は掌を包んだ狭義の陽(小手返しの手)で巡って上肢は左側胸部から下腹部に密着して下丹田に結ぶ。 坐技呼吸法では下丹田即魄氣であるから、この一呼吸で魂氣は虚空に円を描いて掌に珠として包まれ、下丹田にて魄気と結び、合気がなされる。

 

 *今日も文章で稽古、でした。

                                2020/6/20

2020年

6月

18日

『開祖の合氣道』を「合気神髄」から学ぶ

 合気の静止

 合気は禊から始まる。

片寄りのない左右の足で天の浮橋に立ち、呼吸にともなって臍下丹田に天地の気を結ぶ。体軸は軸足/非軸足を伴わず、直接地に繋がっていない。静止の姿である。

 

合気の動作

 合氣道では魂氣三要素(陰陽・巡り・結び)の働きで両手の動きが成り立つ。また、魄気三要素(陰陽・入り身・転換回転)の働きで左右の足腰の姿勢と動きが成り立つものと考える。

たとえば右の魂氣と魄氣が丹田に結んで体軸が確立し、左足を軽く半歩出す(合気神髄P70)。左足は体軸から解脱して足先が地に触れるのみである。左手は陰陽にかかわらず体軸に与らないから魂氣の三要素で自在に動作する兆しを得る。左手が掌で魂氣を受けた状態は左半身の入り身転換で静止した形だ。このとき左手は広義の陽で狭義の陽であり、陽の陽と呼ぶことにしている。

一方、左上肢を弛緩して脇を閉じて左胸から下腹に沿って密着し、掌に魂氣の珠を受けて包んだ思いで下丹田に結ぶと、陰の陽の魂氣と表現できる。小手返しの手である。左足を更に半歩出しつつ魂氣を陰の陽で差し出して受けの左手刀の中へ陽の陽で掌を開けば正面打ちの氣結びであり、一教表や入り身投げ表に連なる。

 

取りも手刀で合わせたなら気結びが望めず、陰の陰に外巡りして左足を外へ更に半歩出して受けの表へ転換(内転換)すると同時に右側の手で自身の顔を拭いながら受けの左手刀に気結びして再度左半身に戻り、左手の振り込み突きで受けの真中を撃つことができる。払わせて前方回転すれば四方投げ表が生まれる。

 

開祖の言葉では、左の手足が無限に気を生み出す武の基礎、右は天地の気を受けて武の土台となる。〝この左、右の気結びがはじめ成就すれば、後は自由自在に出来るようになる〟(合気神髄P105)。

 

 自在に動くしくみ

左の魂氣が巡って丹田で魄氣と結べば左の手足が体軸となって左右が交代する。入り身転換や内/外転換、回転の反復である。すなわち難場歩きの理論であり、開祖は〝これは自然の法則である。この原則を腹において、臨機応変、自在に動くことが必要である〟(合気神髄P105)と。

 

 鳥船

鳥船の動きは、呼気で魂氣を両手で下丹田の魄気と結び、吸気で前方に発しては空間の魂氣を掌に包んで下丹田に巡らせ、再び呼気で下丹田に結ぶ繰り返しである。禊のひとつである。小林裕和師範は左右左と半身で3通り行う。

軸足を作っても非軸足との交代が行われないから、その場で半身の交代なしで体軸がかすかに揺れて、後述するごとく腰を切る動きに止まる。

 

 鳥船と魄氣の陰陽

足腰の姿勢・動きは地から足底に受ける魄氣の働きによるものと思うことにする。

 鳥船の動作にもどって詳述しよう。はじめに左半身で両手の掌に包んだ魂氣を呼気で下丹田に結んだ姿勢は、右足を屈曲して全体重をかけて体軸に与り、左足は伸展して足先が地に触れるのみで非軸足とする。体軸は頭頂まで直立して目付は水平で最大の視野を保つ。この姿勢を陰の魄気による働きと思うことにする。

 弛緩屈曲して下丹田に置いた両手の脇を後ろに開いて肘を進展し、魂氣を包んだままそこから両手を吸気で前方に振り込み差し出す。このとき右足は膝を進展して緊張した下肢で地を踏みつづけ、左の伸展していた非軸足は足底で地を踏みはじめて下腿が垂直になって体軸を支えるまで、つまり、両脚で上体を支え、体軸は右足の伸展した分やや前方に偏る。この姿勢を魄氣の陽による動作とする。

 

 腹式呼吸で腰を切る

 肝心なことは、左半身で下丹田が正面を向いていた陰の魄気に対して、陽では前方に移動するのではなく、その場で右前下方に向かうのである。これは腰を斬ると言い表される。横面打ちで剣を持つ手が上段に伸び切った時の腰の向きである。したがって上体は前傾となるはずがなく、あくまで直立して腹式吸気で胸を起こす。両手が前方に差し出される分、胸式呼吸は行なえない。

 剣を振りかぶって極限まで胸腹式呼気で陰の魄氣の姿勢をとり、一気に腹式吸気で両手が胸を閉じて正面に打ち込む。魂氣で手を使う武技の最中、胸式吸気で胸を開く機会は殆どない。

 

 鳥船の手の動き

 鳥船に話をもどす。ホーと声を出す吸気相の終末で肘の緊張進展がすぐに限界となることから、魂氣の珠を掌に包み蓋をしている母指先は地を指したまま限りなく静止に近付く。呼気相に移るときは上肢の弛緩屈曲が始まっており、魂氣は他の指先の方向へ、つまり下丹田へと巡りはじめている。呼気の終末で右足を屈曲し全体重をかけて体軸に与り、左足は伸展して足先が地に触れるのみで非軸足とする。今や左半身の陰の魄氣で両手の掌に包んだ魂氣は下丹田に結び、一呼吸の禊で合気をなしている。

 再び一呼吸で鳥船を繰り返すのであるが、陰の魄気で魂氣を下丹田に結んで直ぐ後ろに手繰る。つまり、弛緩屈曲して下丹田に置いた両手の脇を後ろに開いて肘を進展し、魂氣を包んだままそこから両手を吸気で前方に振り込み差し出す。魄気が陰から軸足の伸展に伴い魂氣を陽で発し、下丹田が内下方へ少し捻れて非軸足が地を踏んで下腿が垂直に突っ張り、後ろの足が進展し切ってなおも足底が地を捉えたら下丹田は両脚の間で上体を確立し(魄氣の陽)、その瞬間魂氣は陰に巡って下丹田へと還りはじめている。後方の足は軸足へと戻り、一旦地から浮動した体軸はその軸足に繋がって確立する。速やかに魂氣が下丹田に結び、鳥船の一呼吸の度に合気が成り立つ。

 

 鳥船の特徴

 鳥船の特徴は軸足が魄氣との結びを解かず、つまり軸足を前の足に交代せずに魄氣の陰陽を繰り返す動作であり、入り身運動に至る前段階である。

 

 今、鳥船が以下の思いで行なわれるとしよう。

 すなわち、陽の魄気で魂氣を陽で発する。陰の魄氣で下丹田に引き寄せて結ぶ。

これは体軸・下丹田が前後に揺れる姿である。

 他方、前段に詳述した鳥船は腰を切る思いと動作の三位一体である。結果として、単純で目立たない動きであって、攻防一体の体捌きである基本動作の転換、入り身、入り身転換、転換入り身(転進)、回転につながる根本の動作である。

 

 合氣は禊である、という開祖の言葉そのままである。

〝天の浮き橋に立つ禊〟から始まらない稽古は『開祖の合氣道』と混同せずに並列して稽古すべきであろう。

                               2020/6/18

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