*神氣館【 高槻市 天神町道場 】               Shinkikan aikido tenjinmachi-dojo (公財)合気会公認道場                                   Takatsuki-city Osaka JAPAN         大阪府合気道連盟加盟道場                                       開祖植芝盛平の言葉と思いを動作する basic techniques from words and thoughts of the Founder, Morihei Ueshiba        不動の軸足に陰の魂氣:〝吾勝〟  非軸足と魂の比礼振り:〝正勝〟        〝この左、右の気結びがはじめ成就すれば、後は自由自在に出来るようになる〟:軸足交代         二つはこんで一と足すすむ・入り身一足と、体軸に与る両手の巡り:〝左右一つに勝速日、業の実を生む〟        〝正勝吾勝〟で剣素振り   合気の剣は〝勝速日〟                      天の浮橋に立つのタイトルに 1. 「うっちゃり」(打っ棄り)と合気道の返し技は〝正勝吾勝〟2024/4/4                      2. 合気道における上肢の運動表現 2024/4/10 「令和6年のおしらせ」に5月の稽古予定                           稽古の記録 2010/8/15〜2024/4/28

1. 「うっちゃり」(打っ棄り)と合気道の返し技は〝正勝吾勝〟

 「うっちゃり」(打っ棄り)と合気道の返し技は〝正勝吾勝〟

 

相撲にある「うっちゃり」とは次のような技である。

【土俵際に寄り詰められたとき、腰を落とし、体を反って相手の体を腹に乗せ、左右にひねるようにして土俵外に投げ捨てて勝ちます。土壇場で劣勢を逆転する技です。】(日本相撲協会ホームページ)

 

【土俵際まで寄せられた、または土俵際で吊り出されそうになった力士が腰を落とし、体を捻って、相手力士を土俵の外へ投げるもの。語源は「捨てる」を意味する「打ち遣る」から。そのままでは寄り切られるところを、逆転する技である。

うっちゃりを決めるためには相当の瞬発力と勝負強さ、そして強靭な足腰が必要である。

吊りや四つ身を得意とする力士がこの技の使い手で知られており、またアンコ型の力士が自分の太鼓腹に相手を乗せるようにして掛けることもある。】(ウィキペディアより)

 

 【逆転する技】は合氣道での返し技に相当する。

 【体を捻る】とは、左右の足で片寄りなく踏ん張って上体を支えた上で、体幹軸を左右いずれかに捻ることである。

 また、「打ち遣る」とは接頭語の「打ち」が「遣る」に付いてその動作を強調する語であり、「遣る(棄てる)」とは、この場合、「物や人を遠くへ行かせる」という意味であろう。

そこで、相手の圧迫、重さを左右対称の両脚で受け止めた上で体幹軸を捻るには、確かに強靭な足腰が必要となる。

 

【不十分な場合は、同体で取り直しになる場合もよく見られる。失敗して掛けた方の体が先に落ち、行司差し違えで負ける場合(この場合の決まり手は寄り倒しなどになる)も存在する。】(ウィキペディアより)

 

【不十分、失敗】とは、つまり体幹軸を捻る動作についてである。腹に乗りそうになった相手の体が、技を掛ける力士の体幹軸を捻る方向に打ち遣られる途中で、その回転角度が乏しければ体幹軸は捻れながら両足が土俵際を踏み詰めたまま後ろに倒れるわけだ。多くの画像を見ても、体軸が作れず左右の足を対称的に踏み詰めたまま体幹軸だけを捻ろうとし続ける例に失敗が多い。

しかし、【体】とはその運動性から見た場合、片側の手、足、腰と方向を示す目付け(頭部)が一本の直立する軸となって、対側の手、足、腰は自由にその位置を置き換えるという機能を持つ。つまり、体軸を中心にして対側の手、足、腰、体幹が置き換わり、前後左右に軸足が交代していくことで非軸足側が連続して、直線的にも転換しながらも移動することが可能である。これは直立二足歩行の機序である。したがって【体】については体幹軸と体軸を区別しなければならない。

 そこで、いずれかの足を軸足として体幹軸をそれに直結し、体軸を確立すると同時に転換すれば、体軸は90度近く回転することになる。正確には体軸が回転するわけでなく、軸の周りを非軸足側の上下肢と体幹の半分が相手の圧迫の半分とともに外に開き、体は土俵の外へ回りながら落ちるであろう。つまり返し技の本質は、まず自身の体の半分を「捨てる」動作である。

 非軸足先には相手の重さが伝わらず、うっちゃる方が土俵を割ることはない。相手の体との接触部が少なければ、それだけうっちゃることが容易になる。

 

体捌きを交えるなら、必ずしも常識を超えた強靭な足腰が必要とは限らない。動作の文章化をもう少し丁寧にすれば以下のようになる。

体幹軸を捻るのではなく、振り子運動で体軸を作った瞬間、正対から非軸足側へ直角に方向転換すると、土俵際に置かれたまま伸展した非軸足側に相手の重さの半分が掛かり、残りの半分が体軸に接着している(結んでいる)。体軸は捻じれるのではなく、足底が土俵上を踏みつけながらほぼ90度内に転換するから非軸足方向に回るのであって、上体は扉のように土俵外に開くこととなる。

相手の上体は術者の非軸足側の半分が土俵外に向けて進み、締め込みを掴んだ術者の同側の手は軽さを得る。相手の体幹軸は土俵外に向けて捻れるため体軸側の相手の重さは急速に非軸足側の土俵外へと移り行き、やがて相手の体幹軸に連なる足は非対称となって体幹を支えきれない。術者の軸足とは対象的に相手の異名側の足は土俵上から離れ、対側の足は傾斜した体幹軸に連なるだけで体軸を作り得ない。そして相手の上体は反転して土俵外に落ちる。術者は体軸が確立していれば土俵上で完全に残ることも可能である。

 

この動作は開祖のいわゆる〝正勝吾勝〟(『合気真髄』p70)そのものである。

例えば、返し技の本質は体軸の確立、もしくは左右交代にある。体軸とは片側の手・魂気と足腰・魄気が結んで(繋がって)、足底から頭頂までが一本の軸となって直立するものである。つまり、対側の手足が体軸から解かれて、それぞれが自由になることを含んでいる。それまでその手足にあずけていた相手の重さと自らの体重が新たな体軸に移るということになる。開祖はそれについて、〝空の気を解脱して真空の気に結ぶ〟(同p67)と表現する。

 

まとめ

    体幹軸を捻る:片寄りのない両足で地を踏む

     体軸で開く:片足を体軸にして対側を棄てる 

  いずれも両足ともに地から離れないが、

    後者は捨てた方の足先も地についたまま離れない。

                                2024/4/4

2. 合気道における上肢の運動表現

 伸筋の収縮で肘関節が良肢位から開いた状態を緊張伸展とし、弛緩して閉じることを弛緩屈曲と呼ぶことにする。手首と手指も同様の表現である。

 肩関節では、腋が閉じて上肢が下垂した状態を弛緩、腋が前方へ軽く開くと下段に伸展、直角に開いた状態を中段に緊張伸展。腋がさらに開いて肘が肩より高く上がると、上段に掲げて振りかぶる動作となる。ただし、これは整形外科学的な可動域表現とは異なる。

                               2024/4/10

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