術理は単純、動作は洗練
軸足と体軸の確立は、頭頂と目付けを定め、魂氣は陰で空の氣に結ぶ(画像①②)。
微妙に呼気を続けて三位の体から軸足の交代に伴い、魂氣は体軸からの解脱によって吸気で虚空に発し、陽の魂氣が真空の氣に結ぶと円を描いて呼気で体側に巡り、下丹田で魄氣と結ぶ。
即ち天地に結ぶ禊の動作に他ならない。
三位の体で半歩出した左足先を外股に踏んで軸として、後ろの右軸足を非軸足として次の軸足へ交代する際は、前へ半回転か、すぐ側で置き替えか。さらに左足をその場で踏み替えか、後ろへ置き換えか(前とは軸足の足先方向、後ろとは踵方向のこと)。それが前方回転と後方回転の違い。
前に右足を半回転置き換え左足をその場で外股に踏み替えて再度右足を半回転前に置き換えて、左を再度外股に踏み替えると前方回転。他方、右足を左の踵の側で置き換えて左足を後に一歩置き替えてその場で右足を踏み替えると後方回転。
左片手・右交差取り(二人取り)では左半身入り身転換から体の変更で右半身となり、片手には外転換、交差には内転換を同時に行うこととなる。そこで三位の体の右足を外股で前方回転の軸足としながら踵の側で左足を置き換え(半回転前ではなく)、右足を後に置き替えて(その場で踏み換えではなく)片手取りには四方投げ裏の形、ところが次に左足をその場ではなく半回転で前に置き換えて前方回転の動きで交差取りに四方投げ表の形。右足を二人の間で踏み替えて向き直ると片手取りには後ろ回転、交差取りには前方回転でそれぞれ四方投げ裏と表が同時に生まれる。
一旦二人の間に割って入るように見えて、抜けると受けが互いに一体となって落ちる(動画)。
〝合気は日々、新しく天の運化とともに古き衣を脱ぎかえ、成長達成向上を続け、研修している〟 〝合気の道は無限であります〟〝合気道においては、天地が修業の場なのです。修業の道には涯もなく、終わりもない。一生が修業の業であり、無限につづく道の道程であります〟(合気神髄 p181〜182)
天地、宇宙とは人が生きることそのものであろう。
〝自己の知恵、身体を錬磨する。そして初めて宇宙根元のいわれを知り、そこにはじめて合気となる〟〝合気は自然でなければならない〟〝天地万有は一家のごとく、一身のごとく過、現、未は我らの生命の呼吸として、一代のごとく、一世のごとく、一年のごとく、一日のごとく、一家庭のごとく歴史をつくりては、人の世の化育を教える〟(合気神髄 p160)
この年も、思い柔らかく、体の隅々まで、活かし、休ませ、働かせて。
術理と動作は生きている。
2019/1/1