5月5日の誌上稽古

当方の不手際で動作する稽古が叶いませんでした。お詫びいたします。

文章による復習の機会といたします。

1。気結びで正面打ち一教表

天の浮橋に立って天地の気に気結びし、鳥船で下丹田に蓄えた魂氣を掌に包み、体軸確立の上で非軸足を進めると同時に、魂氣の珠を受けの上段に与える。

受けは真中を手刀で守り同側の足で地を踏むことにより軸足を失い、体幹軸が浮動する陽の魄気となっている。取りの手は受けの手刀に触れると掌を開いて狭義の陽で魂氣を発し、特に手首で過伸展して受けとの接点から近位で拳一つ分虚空に入ると、同時に非軸足先は取りの斜め外側に向ける。これが魂氣の結びである。

このとき取りの非軸足は地を踏んで魄気の陽から、後ろの足を継ぎ足として入り身一足の体軸移動が成立する。すなわち魂氣が自身の上丹田に相対的な巡りとともに魄氣と結ぶことでこの手足が体軸に与ることとなる。

そこで、継ぎ足を前の足の踵ではなく、足背を覆うようにして足先だけ地に置いて受けの真中を指すと、半身が交代して陰の魄気となる。相半身からの内転換近似であり、そのまま非軸足先が軽く半歩受けの真中へ井桁に進む、あるいは三角法で進むと表現される。

ここで同時に同側の手を「単独呼吸法の両手で気の巡り近似で」陽の陰にて天に発し、円を書いて受けの手刀・上腕の伸側を矢筈で包み、陰の陽で下丹田に巡ると、対側の手は陰の陰で受けの手首に被せて把持し、鳥船近似の陰の魄気で下丹田より後ろに振れる。一教表。

2。合気の剣と入り身の要訣

 はじめに、半身の場合の剣線とは、軸足の踵が地を踏む点から前足先を通って受けの真中に結ぶ直線とする。

 

 相対動作で、半身から非軸足先を剣線上で前に大きく半歩置き換えて正面打ちとして、継ぎ足で剣線を外すという入り身が、はたして可能であろうか。

合気の剣、つまり入り身とは、取りの体軸が前方へ進む間に、体幹が直立したまま剣線から一定の距離だけ開くことで受けの手刀が上丹田に及ばない動作をいう。ただし、このとき受けとの間に新たな剣線が確立している、すなわち取りが受けの真中を撃っていなければならない。

そこで、非軸足が大きく前方に進めば、剣線上で魄気の陽の静止となって、受けとの剣線上で手刀を受けることとなる。

半身から非軸足先を剣線上で前に軽く半歩置き換えて正面打ちとして、継ぎ足で剣線を外すと、入り身は浅くなるが継ぎ足で剣線を外すことができる。

 

自然本体から上段に振りかぶって外転換で剣線を外し、その場で軸足に交代して後ろの足を大きく半歩剣線側に進めて逆半身外入り身で正面を打つ。

 一方、自然本体から横面打ちの上段振りかぶりで非軸足を剣線上へ大きく半歩置き換えて正面を打ち、軸足は剣線を直角に跨いで前方の交代した軸足踵に着けて同時に軸足とする・入り身一足。浅いことを考慮して、陰の魄氣で半身として小手に振り降りた手刀を再度陽の魄気で直突き。

 *いずれにしても、直ぐ前に(非軸足先)、上に(手刀の母指先)、直立(頂丹田と底丹田を結ぶ体幹)で進み、同時に後ろの軸足を継ぎ足で捌いて一本の軸足となるのが入り身。

 非軸足先を斜め前に、手刀の母指先を横に、体幹を傾けて進むことでは入り身が成り立たない。

  • 交差取りに右後ろ半回転で対側の手を頂丹田に振りかぶって体の変更、振り降りた手で受けの側頸を包んで一回転を完成すれば入り身投げ(表)いずれも受けに前方への回り込みを許さず入り身投げ。
  • 片手取りに(いずれの方法でも)陰の魄気で終える体の変更から受けの前方回り込みを許して陽の魄気で魂氣を陽の陽で差し出すと、受けの同名側の頸部は自ら取りの魂氣を受けて呼吸法表。

 *体の変更は受けの回り込みを阻止するのか、促すのか?

 *入り身転換はどうなのか?

 *技を生む動作はどちらか?

 *体の変更は三面に開いて静止し、取らせた方を内に巡って受けの回り込みを促し(動作)、入り身転換(ここまで後ろ一回転)の陰の魄気で静止する。

  • ほか各種呼吸投げで前方受け身による応じ方色々

 

この1年間の稽古で、日に日に新しくなることを受けいれて身につける、開放性。真剣に取り組んで達成感を求める、誠実性。いずれも健康的な若さを保つための心理学的な秘訣であろう。

3。徒手における刀の役割は母指に任される。

掌に魂氣の珠を包んで弛緩屈曲した示指に、伸展した母指で軽く蓋をする。呼気で腋を閉じて手首を弛緩屈曲し、上肢全体を体幹に密着すると小手返しの手で臍下丹田に結ぶ姿勢となる。

一方、上肢を緊張伸展して掌を開くとき魂氣の珠を指し示す思いを持つ。掌を地に向けて開けば魂氣の珠を落とすわけであるから、通常は掌に包んでおいて虚空に差し出す時だけ指を全部開く。

つまり普段母指だけは伸展しており、常時魂氣を発していることになる。呼気で体幹に巡る時も、丹田に結ぶときも、上肢の各関節は全て弛緩屈曲しているが、母指だけは伸展し、しかもその第一関節から先は反っている。振り込み突きで上肢を緊張伸展した時は掌に未だ魂氣を包んでいるが母指先は剣の切っ先よろしく反っている。

 

 母指先から発せられる魂氣の線は呼気の間では丹田を指して巡ったり、吸気では虚空へ発して上肢は全体に緊張伸展する。また、下丹田に結んだ際は小手返しの手で掌を包んでおり、これを陰の陽と呼ぶ。自身の上丹田に結んだ際は二教の手でこれを陰の陰、母指先は前方を指している。ここから虚空に発して受けの上段に与えると受けからは正面打ちを引き出すことが出来る。

また、上丹田で母指先が内を指せば陰の陽である。他の指は地を向いている。掌は未だかすかに魂氣を受けている。母指先が呼気で地を指して下丹田に降りると降氣である。他の指は全て体幹に向いて接している。

自在に母指先を陰陽で八方に発して巡らせ、丹田に結び、相対動作ではその間に浮けと結んでその体軸へ響いて底を抜いて取りの丹田に巡って魄氣に結ぶ。すなわち、両者の間で合気の動作が為される。

 

上肢がのべつ一本の剣の様に固まっておれば、魂氣三要素の陰陽・巡り・結びの働きがならず、受けに響くことも、取りに巡って体軸の確立に与ることもできない。軸足の交代なき動きに魂の比礼振りは起こりえず、つまり、合気にならないのである。

 その典型が手刀である。魂氣の働きで理解するなら、天地に対して狭義の陰でも陽でもなく、体軸に与る広義の陰でもなく、魄氣の結びを解脱して(身の軽さを得て)虚空に円を書く広義の陽でもない。広義の陰陽に巡る間の一瞬の形が手刀である。

 鳥船において、ホーと吸気で魂氣を発する魄気の陰からイェイと呼気で下丹田に巡る魄氣の陰の間で一瞬の形を作る魄氣の陽に近似している。また、入り身・残心の間で魄気の陰から軸足交代して体軸の移動が確立する寸前の魄氣の陽に近似しているのである。

 手刀も陽の魄氣も動中の一瞬の切り抜きであり、動作の一要素としての静止を現す形に過ぎないと言わざるを得ない。

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