軸足を作って同時に非軸足先を剣線上に寄せ、同側の手は下丹田に置いて魂氣の珠を包む(第一段階)
非軸足先を半歩出して下丹田から手を足先に合わせて差し出し母指先を内に巡る。魂氣を与えようとする(第二段階)。
差し出した魂氣が下丹田に位置するように後ろの軸足を伸展して非軸足先を更に半歩出し、母趾先を母指先に合わせて内股で下腿を垂直に踏み込むと同時に目付けを母趾先に合わせる。与えた手は体幹に密着して魂氣は相対的に下丹田へと巡っている(第三段階)。入り身運動の開始であり、魄氣の陽の体勢である。
鳥船の陽の魄氣近似であるが、入り身の足先は直角に回っており、いまさら陰の魄氣へと戻る体勢ではない。それどころか目付けは留まらずさらに90度内方へ首の運動を、前の足はすぐにその場で45度内方へ足底を捻る。これで体幹軸は180度転換して、後方に位置することとなった新たな軸足に連なり再度体軸が確立する。同側の魂氣は下丹田に結んで軸足の魄氣とも氣結びし、魂氣と魄氣は体軸に与る。すなわち体軸の確立であり、合気である。
今や前方の非軸足となった元の軸足先は対側の足が入り身で進んだ分(直立の屈曲から伸展した分)体軸側に引き戻して第一段階の陰の魄氣に戻る。半身は転換している。受けの手足と体幹は取りの体軸に張り付いており、受け自身は体幹軸も体軸も失っている(第四段階、これで入り身転換の完了)。
入り身転換は軸足交代であり体軸の再確立でもある。また、相対動作では受けとの氣結びであると同時に取り自身の魂氣と魄氣が結んで合気を為し、禊に他ならない。
2021/2/2